事務局 稲田裕音が語る 協会という立場から目指すもの vol.3
仲間
2020年6月28日
 一般社団法人日本フライングディスク協会では、HALF TIMEでの人材募集を2019年に開始しました。中央競技団体(NF)の活動をより深く知っていただけるよう、協会の立場で活動する個人にフォーカスし、意識している課題や取り組みについて、広報担当者がインタビュー形式で掲載します。

今回は、協会の事務局員を務める稲田裕音さんにお話をうかがいました。

 

 

 

取り組んでいるテーマについて

 

――具体的な業務について教えてください。

 

 フライングディスク競技の各種全日本選手権の運営を主に担当しています。

 

 

――稲田さんが協会という立場から取り組んでいるテーマはなんですか?

 

 安心かつ安全に大会を開催するための事前準備をテーマとして従事しています。当日何が起こっても許容範囲内で対応できるよう、あらかじめ様々な事態を想定し準備することを大切にしています。

 

 

――大会を開催するにあたって必要な準備とはどのようなものですか?

 

 大会の開催要項やWEBサイトの作成をはじめ、会場、各市町村、都道府県といった大会関係各所に提出する申請書類を準備したり、大会で利用させていただく施設の担当者の方と直接打ち合わせをしたりします。大会エントリー終了後は、試合の組み合わせやスケジュールなどを作成し、大会開催に向けて準備をしています。

 

 

――協会の安全な大会運営は、フライングディスクという業界を超えて社会全体にどのように貢献できるとお考えですか?

 

 近年、大会やイベントを開催する中で、熱中症対策等の安全性を確保するための規制や取り組みが、社会全体でより厳しく求められていると感じています。その中で、当協会も社会ニーズに合わせて取り組みを強化していく必要があると考えており、関連団体や社会に求められる基準を満たすことで、スポーツが安心かつ安全であると発信し、社会の中でスポーツを活用していこうという機運の醸成に寄与することを目指しています。

 

 

 

これまでの取り組みと、これから
 

――大会を安全に開催するために、どのようなことに取り組んでいらっしゃいますか?

 

 準備の中で一つでも抜け漏れがあると大会を安心かつ安全に開催することができないため、あらかじめ大会毎に開催に向けた工程表を作成し、それに沿って確実に各業務を進めていきます。大会本番の約3ヶ月前から本格的な準備を始めるのですが、工程表に「この日までにこの業務を終わらせる」というスケジュールを細かく記載し、進捗状況と随時照らし合わせながら準備を進めています。大会日程自体が重複することは少ないですが、時期によっては多くて10大会以上の準備が同時進行することもあるため、工程表を中心とした業務進行が必要となります。また、工程表には、大会を開催する中で必要になった新しい業務をアップデートしていくことで、次回大会でより効率的に準備を進められるようよう心がけています。

 

 

――具体的には、これまでどのような部分で工程表が改善されてきたのでしょうか?

 

 WEBサイト等を通して外部の方々に公開されるものに関しては、随時ミスチェックを実施しているのですが、そのミスチェックの方法に関して改善の余地がありました。以前までは「ミスチェックをしたかどうか」という確認項目のみを工程表に記載していたのですが、「具体的にどの部分をどのようにミスチェックするか」というミスチェックの方法を新たに文章化し、誰が担当しても正確なミスチェックを行えるように改善しました。この業務は他の事務局員も含め複数人で実施する必要があるため、チェック項目を口頭で伝えるのではなく工程表に記載することで、より正確なチェックができる体制を構築しました。

 

 

――これまで「大会を安心かつ安全に開催する」というテーマと向き合ってきた中で、どのような変化や手応えを感じましたか?

 

 私も2年前まで競技者としてフライングディスクに関わっていたのですが、その頃は、自分が参加している大会を運営している方々の仕事について、深く考えたことはありませんでした。日本フライングディスク協会に入社し、自身が大会運営に携わるようになったことで、一つの大会を安心かつ安全に開催するために、相当な準備が必要だということを初めて実感しました。入社してからの心の変化という面では、競技者から運営側に立場が変わったことで、「大会」に対する見方が変わったという点が一番大きいと思います。

 

 

――これまでの大会運営の中で、一番大きな成果を得た経験を教えてください。

 

 2019年6月に和歌山県・白浜町で開催された「アジア・オセアニアビーチアルティメット選手権大会」の大会組織委員会(TOC)の事務局を任せていただいたことです。国際大会だったため、外国の方への対応が必要になったり、関係者が多種多様であったりと、全日本選手権とは大きく異なる準備が必要でした。大会当日まで慣れない業務に追われていましたが、それを一つ一つ対処してなんとか無事に大会を迎えることができたことは自分の中ではすごく良い経験となり、フライングディスクに対する意識の観点でも、大きなターニングポイントになったと感じています。

 

 

――これからは、どのような業務に関わっていきたいとお考えですか?

 

 去年は「指示されたことを確実にこなすこと」をテーマに従事してきましたが、この一年間で大会開催に関連する業務の流れが少しずつ頭の中で整理されてきて、自分なりに工夫できる部分が見えてきたため、これからはそれを実現していきたいと考えています。例えば、会場設備等の充実といった観点で、子どもの預かりスペースを設置など、競技者や応援者の方々により良い環境を提供できるような工夫をしたり、候補施設探しをしていきたいです。私が入社する以前の話ではありますが、数年前から各種全日本選手権の本戦を福島県にあるJヴィレッジで開催させていただけるようになり、フィールドや宿泊施設の充実など、より良い競技環境を参加者に提供できるようになりました。協会としてこのような工夫や取り組みは続けていくべきだと思いますし、これからは私自身も提案していきたいと思っています。

 

 

――現状の課題としては、どのようなものを感じていらっしゃいますか?

 

 大会運営をする上では、自分が動くだけでなく、「適切に業務を割り振ること」が課題だと感じています。これまで自分ができることは自分でこなそうとしてしまっていましたが、大会当日に参加いただいている学生・社会人スタッフの方々に適切に業務を割り振ることで、より円滑な大会運営とスタッフの方々の満足度向上を目指していきたいと思っています。

 

 また、今年から国内大会の運営というメインの業務の他に、経理や総務関係の業務に取り組む機会もありました。この業務ではまだまだ自分の勉強不足を感じることが多いですが、協会活動の基盤となる分野ですので、新しい知識を獲得することで、より広い視点での協会業務に従事できるようになりたいと考えています。

 

 

――稲田さんが目指す理想について教えてください。

 

 フライングディスクが生み出す「人との繋がり」を大切にしていきたいです。私自身、世界大会に行った際に協会の方と交流したことがきっかけで大会運営や協会業務に興味を持ち、当協会に入社した経験をしています。様々な意味で「人生を変える力」を持っている人との繋がりを創ることのできる立場にいるからこそ、その力を享受できる環境を大切にしていく必要があると感じています。

 

 フライングディスク競技自体に、「大学時代にアルティメットを4年間やって引退」という形で取り組んでいる方がほとんどだと思うのですが、オーバーオール(個人総合)やガッツといった他種目にも取り組める環境を広げることで、より継続性を持った「生涯スポーツ」になっていくのではないかと思っています。私も、大学に入学してからずっとアルティメット一筋でやっていたのですが、大学3年生の夏に初めて個人総合選手権に挑戦し、多種多様な種目を様々な世代の方々と一緒に楽しめるという、フライングディスクの新たな魅力を知ることができました。最近は、フライングディスクが社会に注目され始め、大きなターニングポイントを迎えていると感じているため、このような機会を通して、アルティメットだけでなく他の競技も含めて、このスポーツの魅力を広げていきたいと思っています。

 

 

 

 

稲田裕音 / Hiroto Inada

一般社団法人日本フライングディスク協会事務局員。

香川県出身。大阪体育大学在学中に内定者インターン。卒業後、2019年春に新卒入社。各種全日本選手権運営や、普及活動業務に従事。2016U20アルティメット日本代表。第26回(2016)全日本大学新人アルティメット選手権大会準優勝。第43回(2018)全日本フライングディスク個人総合選手権大会学生部門3位。

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